【カレンダーで可視化!】ADHDの夫が数年で家事をこなせるようになった方法

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 こんにちは。鈴山ミミーです。

 

「たったこれだけの分担なのに夫が家事をしてくれない・・・」
「やれないと言ったもん勝ちなの?」

 

そんな怒りや疑問をお持ちのカサンドラの皆さん、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そもそも我が家で、夫の発達障害的特性に気が付いたのも、
夫が自分の分担である家事ができないことを
涙ながらに訴えてきたことが発端でした。

 

参考:

suzuyama-mimi.hatenablog.com

 

それをきっかけに「ADHD」を知ってからは、
調査隊、出動〜!
(誰にも話せず、一人部隊です)

 

ADHDというのがどういった脳の働き方をして、
夫自身はどう感じているのかヒアリングしながら、
具体的な対策を考えていきました。

 

ADHDなのか、そうかそうか」では終わらせられなかった。
この先、私が一方的に我慢してやっていくというのは、
一緒に生活する上で、どうしても難しかった。

 

そもそも社会に出て仕事はできてるんだし、
夫がトラブル量産するのは止められない。
だから
「せめて分担した家事くらいはやってくれよ」
という切実な願いだったのです。

 

正直、家事は作業なので、やってさえくれれば、
そこに「深淵な」気持ちが伴っている必要はありません。

ADHDである本人の理解や変わりたいという気持ちがあれば、
「結婚生活の質の改善(自分の気持ちに余裕をつくる)」
という点において、
一番取っ掛かりやすいように思います。

 

 

今回は、その中でも我が家で効果があった
ポイント制 カレンダー
についてご紹介したいと思います。

 

導入したのは4年前。
そこから1年ほどカレンダーを使い続けました。

それ以来使っていませんが、今では以前より
多くの家事を、夫がほぼ全て自主的に
やってくれるようになりました・・・!

 

受動型アスペルガーADHDの特性を持つ夫ですが、
分担された家事がなぜだかできない問題
については、おそらくADHDの特性が関係していると思うので、
今回はその前提で綴りたいと思います。

 

 

 

  

ADHDの脳の特性

 

まずはじめに。
ADHDの特性を持つ人は、脳の働きとして「実行機能」と「報酬系」が低下していると言われています。

 

実行機能とは
目的に向けて行動計画を考え、組み立て、優先順位を付けて行う能力。

 →ADHDの人は家事をやるにあたって、いつどのようにやるか、計画的に実行することが難しい
報酬系とは
満足感や達成感といった快感を誘導する、中心的な仕組みのこと。
ドーパミンが増加することで刺激され、やる気や快感が生じる。

 →ADHDの人はドーパミンの分泌量が少ないため「報酬系」が十分に刺激されない。
  そのため、家事をやったところで達成感や喜びがなく、家事をするメリットが感じられない

 

ざっくり、こんな感じで捉えました。

 

つまり、計画を立てて実行することが苦行だし、
やったところでメリットが感じられない。

 

「そりゃ、やらない」わけです

 

こういうことってはじめて知った時、
「ええぇぇぇーこんな人っているの?!」
と思うのですが、

それがまさしく、夫が自ら話す感覚そのままで、
二度びっくりできます・・・

 

ちなみに夫は、

 

ありがとうが足りないからできない

もっと言ってくれないとやる気が出ない

 

と、当時よく言っていました。

 

でも、どんなに大袈裟に言っても満足してくれないんです。

 

報酬系が低いからだな・・・ )

 

 

夫があまりにも不満を言うので、

 

「どんなに大袈裟に言ってもそう言うじゃん」
「逆にさ、私にありがとうって言ってくれたことある・・・?」

 

と聞くと、夫は一言、

 

 

「俺はいつも!心の中で言ってる!!!」

 

 

と言い放ち、

 

 

「全わたし」がズッコケました。

 

 

誰かーー!タスケテー!!!

 

 

話を戻します。笑

 

まずは、
家事をすることで得られるメリット
を設定するところからだな。

 

もし達成感を感じられたら、
「達成感を得たい」という動機ができて、
「計画的な行動」は後からついてくるのではないかと思い、
虎視眈々と策を考えました。

 

夫には言葉では伝わりづらく、物忘れも多い。

だから、目に見えて実感できる形、
可視化することが重要に思えました。

 

そこで思いついたのが、カレンダーの活用です。

 

ポイント制!オリジナルカレンダー

カレンダーの形式について

 

カレンダーはマンスリー形式で、エクセルで簡単に作りました。
色々書き込むので、カレンダーは多少大きめで、
余白はしっかりあるほうが使いやすいです。

 

1週間は7日ですが、2行多めの9行用意します。
1行目と9行目、つまり両サイドは空白行にします。
(2〜8行目の7行に、日〜土が入ります)

 

家事をやってくれた日に、その内容とポイントを書きます。
(例:トイレ掃除 +3点)

マッサージでポイントを利用した場合にも、
「やった・やらない」になるので、
利用日に遅滞なく記入します。
(例:マッサージ10分 △8点)

 

一週間の終わりには、ポイントを計算します。
そして、一週間の終わりの右側に用意してある空白行に
累計ポイント」を書きます。
(我が家では月曜日はじまりで、日曜の右側に累計行をつくりました。)

一週間のはじまりの左側にある空白行には、前週から引き継いだ
累計繰越ポイント」を記入します。

我が家の場合だと、

累計繰越・月・火・水・木・金・土・日・累計

という並びで9行を使いました。

 

表形式になっているカレンダーの外側である余白の部分に、
下記に説明する「報酬設定」や「ポイントのルール」について
パートナーが理解しやすいよう、簡潔に書きます

 

タイトルを大きく、
めちゃめちゃ助かる!ありがとうカレンダー!!」とかにしたり、

2人で楽しくしている似顔絵イラストを挿し絵にしたり、

ポイントの単位を二人で楽しめる独自のものにしたり、
(例:報酬が肩のマッサージなので、ポイントを「◯カタモミー」と数える、等)

 

目にしても口にしても楽しく、
使っていて気分がいいものにするのがポイントです。

 

報酬の設定

 

家事をやることで得られるメリットは、何がいいか?
これについては、それぞれに違ってくると思います。

 

私は、お金のかからないことの方がいいと思いました。

そもそも家事は無報酬で、やらなくていいなら誰だってやりたくないんです。
誰かがやってくれるなら、尚更・・・です。

 

そこで、お金はかからないし、その割にしてもらえると結構うれしい、
「マッサージ」を報酬として設定することにしました。

 

マッサージは日頃からしていただけに、
「家事をしてくれたお礼」にするのは
win-winになるという目論見もありました。

 

ただ、ポイント制カレンダーを導入することで
マッサージを「人質に取る」というわけではなく、

「私も家事のことでもう揉めたくないし、
私だって本当はもっと機嫌よくいたい。
ゲーム感覚でやれたら楽しいかもしれないし、
一度、こんな感じでやってみよう!」

と、伝え方には十分気を付けました。

 

( 夫がどうネガティブに感じ取るか分からないので・・・ )

 

つづいて、カレンダーの運用ルールです。

 

ポイントの貯め方

 

我が家では、
夫の分担は下記2つ(+α)でした。

・週1回のトイレ掃除
・週1回の掃除機かけ
・(+翌週の、食事の要否報告)

 

食事の要否についてはまぁ都度聞けばいい、
とはいえ事前に報告してくれれば助かるので
比重としては軽めです。

 

なので、一週間でこの3つをやってくれたら、

例:

・週1回のトイレ掃除=3点
・週1回の掃除機かけ=3点
・翌週の、食事の要否報告=2点

→合計8点 

 

というポイント設定をします。

 

そして、8点貯まったら
「10分間のマッサージと引換可能」
(肩・腰・お選びいただけます)
という基本ルールを決めます。

※:
理由は後述しますが、
「延長は3分につき2点」など、
別途で設定するのもオススメです。

 

この時に重要なのは、
最低限やってほしいメインタスクさえやってくれたら満点になる
ということです。

 

そして、やらなかったとしても、減点はなし!
これはとても重要です!

 

加点制にする(減点なし)

 

やらなかったら減点

これは、心理的にかなりネガティブな印象を与えるようです。

 

なので、やらなくても加点がないだけで減点はしません。

 

その代わりに、
やらなくていいんだけど、やってくれたら助かる
というサブタスクを救済ポイントとして設定します

 

例:

・夕飯を作ってくれる=2点
・お皿洗いをしてくれる=1点
・洗濯機を回してくれる=0.5点
・洗濯物を畳んでくれる1点

 

こんな感じで、メインタスクができなかったとしても
サブタスクで得点できるようにしておくんです。

 

この時の配点ですが、
サブタスクの中でも面倒に見える「夕飯を作る」は、
やってくれなくていいんです。
やってほしいとも思ってないんです。
(夫は料理ができるのですが、後から私が掃除するのが面倒っていう・・・)

なので、面倒なことな割に、2点(配点は低め)にします。

 

そしたら、
「夕飯作って2点なんだったら、トイレ掃除して3点だろ」
と、なるわけです。

トイレ掃除に、お得感が生まれるのです。

 

週1回 掃除機かけてくれなくても、
週3回 お皿洗いしてくれたなら、
私が快く代わりにやれるんです。

 

◯◯と引き換えに、という取り引きは
あまり好きではありませんが、

「配慮」を前提にした生活ができない相手だと、
正直、ストレス溜めながら過ごすか、
ルール化でもするしかないんです・・・

そこをなんとか
楽しみながらやろうぜ」というのが
このポイント制 カレンダーなのです。

 

ポイントの有効期限

 

ポイントは失効せず、残ったらすべて持ち越せるようにします。
(週のはじまりの左側に、前週から持ち越した累計ポイントを書きます)

 

そうすると、

「来週は忙しくてトイレ掃除できないかも・・・」
「でもマッサージしてほしい・・・」
「いつも延長してほしくなるしなぁ・・・」

「じゃあ今日お皿洗っておくか・・・」

「洗濯物畳んどこかな・・・」

 

と、お小遣い稼ぎをし始めます

 

わあぁぁぁどうしたの!助かる!!!

 

気づいたら大袈裟に喜び、カレンダーには忘れずに記入しましょう。
花丸とか付けてもいいかもしれません。

 

とりあえず、大袈裟にやります

 

私はいつももっとやっているのに・・・という皆さん。
分かります。そうなんです。そうなんですよ。

でもとりあえず、うまくいきそうなら、
ここは白目でも剥きながら、心頭滅却しましょう。
(せいっ!せいっ!)

 

ちなみに記入したりするのは、私が全てやっていました。
(書いてもらうと、ごちゃごちゃでよく分からなくなるので・・・)

 

報酬時には褒めまくる

 

ポイント還元マッサージをする時にも、

自主的に家事やってくれてめっちゃ助かったー!
どうしちゃったの?!すごい変わったよね!

と、毎度大袈裟に感謝を伝えます。

分泌が足りないドーパミンの分まで、
報酬系を、刺激!しまくるのです!

 

褒め殺しが度を超えて、
殺しちゃうんじゃない?夫死なない?
まぁそれならそれで!
っていうくらい褒めましょう。

 

ひたすら、揉んで、褒めて、揉んで、褒める!

家事やってこんなに有難く思ってもらえるのも
まぁ悪くないなぁ」という感覚を、
マッサージの快感と共に、脳に擦り込みます。笑

 

そして、10分が終わる頃になると、

「お客さん、どうします?延長します?」

と、聞きます。

 

この時、

サービスで延長は絶対にやらないこと!

 

ただ、

本当に助かってるから、気付いたら2分多めにやってたわ〜!

などと、時々おまけするのはありです。

 

これも、こっそりサービスしても絶対に気付かないので、
声に出してわざわざ言いましょう

 

「あ・・・俺、有難く思ってもらってるんだ・・・」
「あの程度のことでそんなに人って喜ぶのか・・・」

となり、

「来週は延長したいし、今日も洗濯物畳んどこか・・・」

となってくれれば、作戦成功です。

 

ちなみに夫はマッサージが終わると
なぜか私のこともマッサージしてくれるので、
まさにwin-winになります。

 

 

まとめ:カレンダーの活用でADHD夫は家事ができるようになった

 

今回は、私が夫に会話の中でヒアリングしたり、
夫の性格などを考慮してカスタマイズした
「ポイント制 カレンダー」についてお話しました。

状況や性格など、人それぞれなので、もちろん一概に効果があるとは言えません。

 

ただ、もし今、家事ができない問題でお悩みの方がおられましたら、

二人にとってより心地いい日常生活を送るために、
お互いに嫌悪感を持つことなく
楽しく取り組めるという意味で、
試してみて損はないんじゃないかと思います。

 

我が家でも、他にも何十何百といろいろな方法を試したものの、
うまくいかないことだらけでした。
たまたまこれが、我が家には合うやり方だった。

 

そして、夫がやさぐれているうちは、
なーーんにも進みません。

夫が前向きな気持ちになり、取り組み、
夫自身が以前の自分とは変わってきていることを実感できるようになると、
良い循環が生まれはじめるのではないかと思います。

 

実際に夫は、
ドーパミンが足りないから頭がぼやぼやするのかな・・・」
などと自分で調べ、ランニングを始めました。

家事ができるようになったことは、結果として、
そうした相乗効果もあるのではないかなと思います。

 

ここまでお読みいただき、気が向いた方には、
ぜひ参考にしていただけたら幸いです。

そしてカサンドラの皆さん・・・
心の奥底から!今日もお疲れさまです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!