【夫はアスペルガー?ADHD?】夫に伝えた反応と、私の対応について

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こんにちは。
考える葦、鈴山ミミーです。

 

私が「アスペルガー」や「ADHD」、「カサンドラ症候群」という単語にたどり着いたのは、夫との新生活で神経が擦り減って体調にも異変が起きはじめていた、結婚3年目でした。

 

今回は、結婚してから「アスペルガー」「ADHD」「カサンドラ」といったワードを知り、それを夫に伝え、夫婦間で共有した経緯を簡単にご紹介します。

 

違和感だらけの新婚生活


夫について:

高学歴、大手企業勤務。
純粋で、素直。謙虚。
嘘をつけない。
鋼のメンタル。(ストレスが溜まらない)
老若男女、誰にでも親切な博愛主義者。

 

そんな夫と結婚して一緒に住み始めてから、たくさん感じてきた違和感。

 

何度でも繰り返す不注意。
金銭感覚の無さ。
時間管理の甘さ。
明らかな危険運転。(事故歴あり)
嘘みたいな記憶力の悪さ。
なんだかいつも話が通じていない。

 

どれも、結婚前の付き合いの中では、分からなかったことでした。
(じきに、暴言や八つ当たりも始まります)

 

そして全体を通して、反省や学習をすることなく、罪悪感も全く持っていない夫。
(翌日には、何もなかったかのようにケロっとしています)
見ている私のほうが、夫がなぜその生き方でストレスにならないのか不思議なくらいでした。

 

この人、若年性のアルツハイマーなのかな・・・などと思いながら、「物忘れのひどい高齢老人」と「まだ分別のつかない小学生(低学年)」が合体した新人類に思えてきて、どうにもできない虚しさに苛まれる結婚生活でした。

 

違和感が、やがて確信へ


結婚して2年半ほど経ったある日、私の中のぼんやりとした違和感が、「やっぱりなにか違う」という確信に変わります。

 

[ 週に一回 ] のトイレ掃除がオットの担当だったのですが、

  

あ〜、今週もできなかったわぁ。

 

 と、日曜になると言うのです。

 

・・・・・? 土日限定じゃないから、明日でもいいんだよ。

明日が難しかったら、明後日でもいいし。

週末に突入する前に、金曜にやってくれてももちろんいいよ!

 

 夫の機嫌を損ねないよう、やんわり提案するのですが、

 

あーーー、うん。

 

という頼りない返事が帰ってくるのみ。掃除はしません。

 

 

いい加減あきらめて私がやってしまえばいいのですが、当時、すでにお金のことや交通事故などアフターフォローしなければいけないことが山積みで、私は心身不調でストレスMAX。

 

これくらいのこと自分で考えてやってよ!という思いが爆発して、そういうつもりがなくても正論モードが全開に。

 

正論を淡々と突きつけられた夫はその日、

 

やろうと思ってもできないんだ・・・

頭の中がぐちゃぐちゃで、よく分からなくなる・・・

 

そう言って泣き始めました。

 

・・・・・え?何なの?どういうこと?

 

夫が泣いているところを見るのはこれが初めてでした。

これもうやっぱり、個性とか、男女の差とかじゃないよなぁ。
この人、やっぱりなにか病気なのかもしれない・・・
でも、どうしたらいいものか・・・

「私は一体、なにとたたかっているんだろう?」
ますます分からなくなりながら、翌日からネットで検索しはじめました。

 

そうか!夫は発達障害だったのか!


そして、私自身の心身の不調は「カサンドラ症候群」だったのです!

(この時すでに、何もなくても涙が流れ、動悸も止まらなくなっていました)

 

皆さんはこの事実に気付いた時、どのように感じたでしょうか?

 

障害」という二文字に愕然として目の前が真っ暗になったという方。

これが原因だったのか〜!(ピカーン!)」と一縷の希望を見出した方。

それぞれだと思います。

 

私は、完全に後者でした。

 

私ってば、ポジティブ〜!

夫に言うタイミングは考えることにして。
原因が分かれば、情報収集して対策するのみ!
調べるべし!調べるべし!
まさに、検索の鬼と化していました。

 

しかし、その間にももちろん時間は流れ、我が家の中でのトラブルは起き続けます。

カサンドラの方なら分かっていただけると思うのですが、

もう、本当におっちょこちょいだな〜!

と我慢して笑っていられるうちはいいんですよね。

そのうち、

・・・え、嘘でしょう?
いやいや、ちょっと何これコワイ

となり、

トラブル連発の当事者である夫がキレたりしようもんなら、

 〜正論でおだやかに諭す〜 

というステージを経て、
それでも全く話が通じなくて、

あれー何やってもだめなのねオッケー。

((((無))))

となります。

THE・疲弊。
「非生産的」とは、このためにある言葉だなと思い知ります。

そして私自身の「忍耐できるスパン」は回を重ねるごとに短くなります。
イメージとしては、車のブレーキパッドとでも言いましょうか・・・

鍛えられて、強くなんてならない

日々、確実に、磨耗するんです

 

もう限界に近づいてきている・・・

 

・・・ということで、発見から1週間ほどでさっさと本人に話すことにしました。

 

夫に「アスペルガーではないか」と伝える


どういう伝え方がいいか分からなかったのですが、私は「大人の発達障害」に関するネット記事を探しました。

子供の頃からなんとなく感じてきた、当たり前のようにみんながやることが自分にはなぜか難しいという「生きづらさ」。

それが社会に出るようになってより色濃くなってきた実感はないか。

それは発達障害が原因かもしれなくて、その発達障害という「脳の特性」が分かったことで自分自身と向き合い、治療や対策をしている人もいる。

 

そんな、当事者に寄り添うような記事のURLを送って、一度読んでほしいとお願いしました。

 

わたしの予想と、夫の意外な反応


夫は断固として読もうとしない、もしくはたとえ読んでも「読んでいないフリ」をし続けるんじゃないかと思っていました。

これが事実だとしたらショックが大きすぎて、受け止められるはずがないと思ったんです。

 

しかしそこは天性の純粋、素直な性格の持ち主。
何やらすぐに読んだようで、目の前でカタカタとPCを打ち始めました。
打ち込んでは、なにか読んで、そしてまた打って、読んで。
ほどなくして、夫はこう言いました。

 

俺、ADHDだわ・・・

 

これはもう、私にとって衝撃すぎる一言でした。

実は、アスペルガーADHDもイマイチ夫にあてはまる気がしなかったんです。

カサンドラ症候群にはピンと来ていました。
でも「夫って、本当にこういうのなのかなぁ・・・」という印象だったんです。

 

私から見て、夫にADHDの特性があるなんて全然分からなかった。

 

ADHD・・・?ではないんじゃない?

いや、俺、チェックリスト全部あてはまるもん・・・

( ええぇぇぇ!!!嘘でしょうーーーーーー!)

 

そう、これまでの違和感はすべて、見せかけの演技のボロだったのです。

稀代の名優、爆誕・・・
ここまでくると、なんかもうこの人すごいなと、逆に思ってしまいました・・・

(ちなみにアスペルガー受動型だということを確信するのはここから4,5年後、今この記事を書いている最近のことです。)

 

やっぱり落ち込む夫と、私の対応


「そうか、俺はADHD発達障害なのか・・・」

なんだか腑に落ちたようで、でも受け止め方が分からず、混乱しているように見えました。

そりゃそうです。
逆の立場だったらと考えると、私もどうしたらいいか分からず愕然とするでしょう。

しかも夫は日常生活のことでさえ思考の処理が追いつかないのに、これはもう複雑案件すぎる。

今までも、もっとよくなろう、よく見せようと本人なりに努力していたけど、どうにもこうにもうまくいかなかったのかもなぁ・・・と思うと、それはそれで切ない気持ちにもなりました

 

「 “ADHD” っていうキーワードが分かったのなら、ますます対策しやすくなるじゃない。
“障害” って付いてるから心象が良くないだけで、そばアレルギーとか、閉所恐怖症とか、そういうのと一緒だと思うけど。
私も理解を深めたら、今までよりもっと上手に配慮できると思うし。ね?」

これが、私の正直な気持ちでした。

 

そしてこの時から今に至るまで、私が一貫して心がけているのは、

あなたのことが好きだから、お互いにストレスなくもっと楽しく過ごせる方法を私は考えている

と伝え続けることです。

 

遠回しな婉曲表現だと、全く感じ取ってもらえません
(今が平安の世なら、夫は10000%モテないと断言できる)

 

あなたのことが好きだから "
とりあえずこれを分かりやすく直截的に言わないと、

俺はダメなんだ・・・だから嫌いって思われている・・・
とスーパーネガティブ x 自暴自棄モードになってしまい、全然前向きになってもらえません。

(何にしてももちろん個別のケースではありますが、これはきっと受動型アスペルガーの思考傾向やADHDの特性からくる自信のなさなので、尊大型アスペルガーの方なんかだと対応は違ってくるかと思います)

 

ここでまた重要なのが、私が<相手の気持ちに配慮してこういう言葉を選んでいる>からといって、相手からも同じように <私にとってうれしい言葉>が返ってくるとは限らないということです。

いや、「返ってくるわけがない」と思わなければいけません・・・

もし期待なんてしてしまったら、何もなかった時に、裏切られたと感じてがっかりしてしまいます。

なので、

決して期待しないこと

が肝心です

 

逆に、相手に好きだと言ってほしい時は、

好きと!今ここで口に出して言ってくれ!

と、身も蓋もない形で申し出なければいけません。

 

( なんだよこれー )

 

・・・そうです。
ほんとそうなんですが、
相手はこんなことを言われたら喜ぶ
なんていう概念は持ち合わせていない生き物なので、そこには悪気もなければ配慮もない。

ただただ「何も考えていない」のです

 

( 悪気が無ければいいなら、警察いらねーわ!!! )

 

エス、ザッツ正論!
カサンドラの皆さまも、これまでに1000回は心の中で唱えたでしょう。

「もういっそ逮捕されてくれ!逮捕だ!」
これも750回くらいは思ったはずです。

(そしてここには書けないようなことも100万回は唱えてこられたでしょう・・・)

 

ちなみに、「嬉しいことばを言ってもらっているのだから自分も相手が喜ぶことばを返そう」なんてことは決して思わない代わりに、言ってもらったことなんかは、しばしば一夜のうちに忘れます

そして翌日には
「お前はいつも俺に変われと言ってくる!」
「お前になれと言うのか!勝手だ!」
なんて急に怒りはじめたりします。

 

そうです。悪気もなければ配慮もありません。

 

ただただ、
記憶力が弱いためあまり情報を持ち合わせておらず、しかも情報を整理してつなげて考えるという論理的思考がめちゃくちゃ苦手
なのです。

 

逮捕だ!私の心を返せ!!!!!

 

こんなこと、毎日思いますよね。
思わなきゃ、カサンドラになんてならないわけです。

 

脳の特性?知らねーわ!

 

って、なるわけです。

だって、私たちが問題意識を持って考えて、過去事例から学習して対策しても、
気を遣って最大限の配慮をしても、

いつだって、いつまで経っても歯車は噛み合わないし、

そうしたストレスの一番の要因となる対人トラブルを一番共有して解り合いたい相手が、その原因でもある夫本人だなんて、正直、言葉にできない絶望感です。

しかも、相手としては「人の気持ちを考えない」という世界の住人なので、全く困っていません

 

俺はなにも困ってないのに、お前がいるからいろいろ問題になってる気がする。

 

この言葉については「すごく深いな・・・」と思ってこの後、また考察を綴る予定でいますが・・・

口ではこうは言っていても、やはり本人としても
当たり前のようにみんながやることが自分にはなぜか難しいという生きづらさ
を実感しながら生きており、
その自信のなさが「怒り」や「ストレス」として私に向かってくることがあるため、
やっぱり何かしら対策していく必要はあると感じています。

 

注:
家の外でのことは本人の問題なので、一切干渉していません。
色々な問題を混同しないよう、私は夫婦という生活・人生を共有する部分についてのみ考えるようにしています

 

でも!
とにもかくにも!今すぐ!
別居したり離婚したりするわけではないのなら、

不快で不可解な生活改善のために
私自身の精神衛生向上のために

「夫本人」にも協力を仰いで前向きにやっていくしか術がなくて、

そのためには

あなたのことが好きで楽しくやっていきたいから、こうして考えているんだよ
そうじゃなかったら、とっくに諦めて離れてるよ

これを伝えること、すごく重要だと思います。

(いやになって、しばしば言うのをやめますが。笑)

 

ここからが本当のたたかいのはじまり


わが家の不和の実態について、なんとなーくながら分かってきたのはいいものの、

 

( 外での夫の評価を下げるのも違うしなぁ )

 

と、ますます人には話しづらくなりました。

そのため、研究家さながらの情報収集、試行錯誤と実践をつづけ、今に至ります。

 

発達障害の特性を持つご本人に伝えた方。
言い出せずにいる方。
話してはみたものの聞く耳も持ってもらえなかった方。

本当にさまざまだと思います。
そして、どの方も全員、とてもお辛いこととお察しします。

 

伝える側としても、これまでの相手との実体験を踏襲した想定問答を練り、「できる限りの配慮」をもって臨むことにとても緊張する方が多いのではないでしょうか。

 

もし、これから伝えようと考えている方がいらっしゃって、この記事に参考になる部分がありましたらぜひお役立ていただけるとうれしく思います。

そしてカサンドラの皆様、今日もお疲れさまです。
どうぞ、ご自身の素晴らしさを誇りに思ってください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!